料理人の年収はどれくらい?平均年収・職場別の違い・収入を上げる方法を解説

「料理人として3年以上働いてきたけど、この年収って妥当なんだろうか」
「他の職場に行けば、もう少し上がるんじゃないか」

そう考えながらも、転職先を間違えれば年収が上がるどころか、労働環境まで悪くなるかもしれない…
その不安が頭をよぎる方もいるのではないでしょうか。

この記事では、料理人の平均年収データから、職場による年収差の背景、収入を上げる具体的な方法、そして転職で年収アップを狙うときに確認すべきポイントまでを解説します。

料理人の年収はどれくらい?

料理人の平均年収はどれくらい?

料理人の年収を考える上で、まずは公的なデータから全体像を把握しておきましょう。

料理人の平均年収と給与所得者全体の平均との差

毎日火の海のような厨房で立ちっぱなし、月末に給与明細を開いてため息をついているあなたに、まず数字を見ていただきたい。

国税庁の「令和6年分 民間給与実態統計調査」によると、給与所得者全体の平均年収は478万円(出典:国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」)。対して厚生労働省「job tag」が示す料理人の平均年収は約379万円です(出典:厚生労働省 job tag)。

差は約99万円。月に換算すると、毎月8万円近く少ない計算になります。
これは単なる統計の話ではありません。
あなたが今の職場に踏みとどまり続ける限り、この差は毎月、毎年、静かに積み上がっていきます。

年齢・経験年数別に見る年収の推移

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」のデータをもとに、年齢別の推移を見てみましょう。(出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」

年齢帯目安年収ポイント
20代前半250万〜300万円見習い・下積み期間
20代後半〜30代300万〜380万円任される仕事の幅が広がり上昇
40代400万円超〜横ばい料理長・副料理長で差が開く
50代ピーク以降は緩やかに下降

20代は体力的にきつい仕事を任されることが多い一方で、料理人としての年収はまだ低い時期です。
見習い・一般スタッフとして経験を積む段階では、労働量に対して収入が見合わないと感じる人も少なくありません。

しかし、料理人の年収は経験とともに少しずつ上がっていく傾向があります。
30代、40代と経験を重ね、任される仕事の幅が広がることで、料理長・副料理長などの役職を目指せるようになります。

料理人ならではの特徴は、年齢を重ねても経験そのものが強みになりやすい点です。
一般的な企業では、60歳前後で定年や再雇用となり、年収が大きく下がるケースがあります。

一方で料理人の場合、長年かけて身につけた包丁さばき、火入れの感覚、味の安定感、現場を回す判断力は、若手がすぐに代替できるものではありません。
もちろん体力面の負担はありますが、職人としての技術や経験は年齢を重ねても評価されやすい要素です。
そのため、料理人は他職種と比べても、60代以降の年収低下が比較的緩やかになりやすい職種といえます。

料理人の平均年収と給与所得者全体の平均との差

ここで、料理人が年収を考えるときに抱きがちな思い込みを一つ崩しておきたいと思います。
「和食は職人の世界だから年収が高そう」
「フレンチやイタリアンの方が華やかで稼げそう」
「中華は専門技術が必要だから、他より評価されやすいのではないか」
そう考えたことはありませんか?

しかし、厚生労働省のデータを細かく見ていくと、和食・洋食・中華といった料理ジャンル間の平均年収には、驚くほど大きな差がありません。どのジャンルも平均すると、370万〜380万円前後に収束しています。

つまり、年収が決まるのは「何料理を作るか」ではありません。
本当に差がつくのは、「どの職場で、どの立場で働くか」が重要になります。

同じ和食でも、一般スタッフとして働くのか、料理長候補として働くのか。
同じ洋食でも、個人店なのか、ホテルなのか、ブライダルなのか。
同じ中華でも、現場スタッフなのか、複数店舗を任される立場なのか。

料理のジャンルよりも、勤務先の業態・企業規模・役職の方が、年収に大きく影響してきます。
年収アップを考えるなら、「和食か洋食か」ではなく、「その経験をどこで、どう評価してもらうか」が大切になります。

個人店・チェーン店・ホテル・ブライダルなど職場別の年収

料理人の年収は、勤務先の業態や企業規模によっても変わります。
公的統計だけでは職場別に細かく比較しにくいため、求人情報の傾向をもとに主な職場ごとの年収目安をご紹介します。

職場の種類年収目安特徴
ホテル300万〜450万円程度比較的年収が高く、福利厚生が整っている。高級・外資系ではさらに上を目指せることも。
ブライダル300万〜450万円程度客単価が高く評価が収入に直結しやすい。ただし土日祝が激務になりやすい傾向がある。
チェーン店250万〜350万円程度安定はしているが年収の天井が低い。
個人店250万〜400万円程度繁盛すれば高収入も。ただし経営状況次第で収入が大きく揺れる可能性がある。

理由は、料理の技術だけでなく、働く場所の「企業としての体力」が違うからです。

ホテルは宿泊・宴会・婚礼・法人利用など、飲食以外にも複数の収益源を持っています。ブライダルも、料理単体ではなく式場運営全体のなかでサービスが成り立っています。

そのため、個人店や小規模飲食店に比べて、賞与・役職手当・住宅手当などの制度が整っているケースがあります。
同じ調理経験でも、どの規模の職場で評価されるかによって、年収に差が出るのです。

一方で、低価格の商品を薄利多売で回す業態では、どれだけ現場が忙しくても、給与を大きく上げるだけの原資が残りにくい。
これは、料理人の努力不足ではありません。
年収の差を生んでいるのは、腕の差だけではなく、働く業態のビジネスモデルの差です。

同じ料理人でも年収に差が出る

料理人の年収は、同じジャンル・同じ経験年数でも、職場の条件によって大きく異なります。

役職・ポジションによる差

料理人の年収に大きく影響するのが、役職です。
一般スタッフと料理長では、年収に100万円以上の差が生まれることも珍しくありません。

ただし、ここで一つ誤解を解いておきたいことがあります。
料理長クラスで評価されるのは、包丁さばきや味覚の鋭さだけではありません。
上のポジションに行くほど求められるのは、原価管理、食材の発注・在庫管理、スタッフ育成、シフト管理、利益を生むメニュー開発です。

つまり、料理を作る力だけでなく、厨房全体あるいは店舗全体を回すマネジメント力が問われます。

市場で高く評価されるのは、「一番美味しい一皿を作れる人」だけではありません。
忙しい週末のピークタイムでも厨房を崩壊させず、原価を管理し、スタッフを育て、安定して利益を出せる人です。

個人店で働いてきた料理人は、この点で大きな強みを持っていることがあります。
小さな店では、調理だけでなく、仕入れ、原価計算、メニュー開発、後輩指導、現場の空気づくりまで、すべてを任されることがあるからです。

本人は「自分は個人店上がりだから」と思っているかもしれません。
しかし、その経験は、ホテルやブライダルなどの大きな職場で、全体を見渡すポジションに就くための武器になります。

年収を上げるために必要なのは、調理技術だけではありません。
「現場を任せられる人材」として、自分の経験をどう見せるかが重要です。

賞与・手当の有無

求人票で月給だけを見ると、どの職場も同じように見えることがあります。
しかし、実際の年収に大きな差を生むのは、月給ではなく賞与や手当の有無です。

たとえば、月給25万円の職場が2つあったとしても、片方は賞与なし、もう片方は年2回・合計2ヶ月分の賞与ありであれば、年間で50万円前後の差が生まれます。

月給だけを見ていると、この差は見落とされがちです。

また、役職手当・資格手当・住宅手当・深夜手当などの有無も、年収に影響します。
ホテルやブライダルなど、ある程度規模のある企業では、こうした手当や福利厚生が整っているケースがあります。
一方で、個人店や小規模店では、基本給以外の制度が十分に整っていないこともあります。

つまり、年収を比較するときは「月給がいくらか」だけでなく、賞与・手当・福利厚生まで含めて見ることが重要です。

勤務地による差

勤務地によっても、料理人の年収は変わります。
特に東京や大阪などの都市部には、高級レストラン・ホテル・ブライダル施設・外資系ホテルなどが集まりやすく、地方に比べて給与水準が高い求人が出ることがあります。

ただし、都市部で働けば必ず手元に残るお金が増えるとは限りません。
家賃や交通費、食費などの生活コストも高くなるため、額面の年収が上がっても、手取り感では思ったほど差が出ない場合があります。

一方で、地方でもホテル・旅館・観光地・ブライダル施設など、安定した需要がある職場では、待遇の良い求人が出ることがあります。大切なのは、「東京だから高い」「地方だから低い」と単純に考えるのではなく、年収・生活費・休日・働き方をセットで比較することが大切です。

年収だけでなく労働時間・休日もあわせて確認すべき理由

「月給が高い求人を見つけた。よし、ここに応募しよう」
そう思ったときほど、少し立ち止まって考えてみましょう。

年収の数字だけを見ていると、見落としがちなのが「時給換算」の視点です。
月給が高く見えても、拘束時間が長く、休日が少なければ、1時間あたりの給与は想像以上に低くなっていることがあります。

たとえば、月給だけを見れば好条件に見えても、実際には長時間の仕込み、閉店後の片付け、繁忙期の休日出勤が重なり、体感としては「これだけ働いてこの金額か」と感じるケースもあります。
だからこそ、料理人の転職では、年収だけでなく労働時間・休日・実際の勤務体制まで確認することが重要です。

厚生労働省の「令和7年就労条件総合調査」によると、年次有給休暇の平均取得日数は全体で12.1日、取得率は66.9%です。一方で、宿泊業・飲食サービス業の取得率は50.7%と、産業別で見ても低い水準にあります。(出典:厚生労働省「令和7年就労条件総合調査」
「年収が高い=条件が良い」とは限りません。
月給・賞与・手当だけでなく、何時間働くのか、何日休めるのか、繁忙期はどのような働き方になるのか。
そこまで含めて比較して、初めて本当の条件が見えてきます。

「今の年収が妥当なのか気になる」方へ

同じ料理人経験でも、職場が変わるだけで年収が変わることがあります。
自分の経験がどの業態で評価されやすいか、飲食業界に詳しいキャリアアドバイザーと一緒に整理してみませんか。転職を決めていない段階でも、無料で相談できます。

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料理人が年収を上げる方法

料理人が年収を上げるアプローチは、大きく分けて「今の職場で上げる」か「転職で上げる」かの2つです。

今の職場で役職・評価を上げて収入を伸ばす

現職で年収を上げるなら、まず目指すべきは役職です。

一般スタッフのまま基本給だけを少しずつ上げるよりも、副料理長・料理長などのポジションに就き、役職手当や評価を得る方が、収入アップにつながりやすくなります。

そのために必要なのは、調理技術だけではありません。
原価管理、発注、在庫管理、スタッフ育成、メニュー開発など、厨房全体または店舗全体を回す仕事にどれだけ関われるかが重要です。

また、ふぐ調理師や唎酒師、ソムリエなどの資格が、手当の対象になる職場もあります。
ただし、資格を取れば必ず年収が上がるわけではありません。
資格手当の有無や評価対象になる資格は職場によって異なるため、事前に確認しておく必要があります。

現職で昇給が見込めるかどうかは、
「昇給の基準があるか」「評価制度が明確か」「役職に上がるステップが用意されているか」
で判断できます。

ここが曖昧な職場では、どれだけ頑張っても年収が大きく上がりにくいのが現実です。
努力の問題ではなく、給料が上がる仕組みそのものがない可能性があります。

転職で自分の経験をより高く評価する職場を選ぶ

今の職場で昇給の道筋が見えないなら、転職で年収を上げる方法もあります。

料理人は、経験を積みながら職場を変えることで、ポジションや年収の幅を広げやすい職種です。
同じ調理経験でも、個人店、ホテル、ブライダル、チェーン店など、働く業態が変わるだけで提示される年収が変わることがあります。

大切なのは、ただ「給料が高い求人」を探すことではありません。
自分の経験がどの職場で高く評価されるのかを見極めることです。

たとえば、個人店で仕入れ・原価管理・メニュー開発まで任されていた経験は、ホテルやブライダルの副料理長候補として評価される可能性があったり、チェーン店でピークタイムの厨房を回してきた経験は、複数人をまとめる現場管理力として評価されることがあります。

もうひとつ重要なのが、賞与・手当・昇給制度が整っている職場を選ぶことです。
月給だけが少し高くても、賞与なし・手当なし・昇給基準なしでは、長期的な年収アップにつながりにくい場合があります。

年収を上げたいなら、見るべきなのは月給だけではありません。
自分の経験が評価される職場か。
入社後も収入が伸びる仕組みがあるか。
この2つを確認することが、転職で失敗しないためのポイントです。

転職で年収アップを狙うときに確認したいこと

「年収が上がる」と思って転職しても、入社後に「思っていた条件と違った」と感じるケースがあります。
ここでは、料理人が転職時に確認しておきたいポイントを整理します。

月給に固定残業代が含まれているか

求人票に「月給28万円」と記載されていても、そこに固定残業代が含まれている場合があります。

たとえば、
月給28万円=基本給22万円+固定残業代6万円(40時間分)
という内訳であれば、基本給は22万円です。

賞与は基本給をベースに計算されることも多いため、月給の見た目だけで判断すると、思ったほど年収が伸びない可能性があります。
また、固定残業時間を超えた分の残業代がきちんと支払われるかも確認が必要です。

求人票を見る際は、基本給の額・固定残業代に含まれる時間数・超過分の支給有無を必ず確認しましょう。

残業時間・休日の実態は年収と見合っているか

月給が高く見えても、残業時間が長く、休日が少なければ、実際の働き方としては割に合わない場合があります。

たとえば面接では、
「実際に何時に出社して、何時に退社することが多いですか?」
「繁忙期は月にどれくらい残業がありますか?」
「完全週休2日制ですか、それとも週休2日制ですか?」

といった質問をしておくと、求人票だけではわからない実態を把握しやすくなります。
料理人の転職では、年収だけでなく、労働時間・休日・繁忙期の働き方まで含めて判断することが大切です。

役職名と実際の裁量・権限が一致しているか

「料理長候補」「副料理長候補」と書かれていても、入社後すぐにそのポジションを任されるとは限りません。
役職名だけで判断せず、実際にどこまで任されるのかを確認しておく必要があります。

たとえば、
「いつごろ料理長を任される見込みか」
「メニュー開発に関われるのか」
「仕入れや原価管理の権限はどこまであるのか」
「スタッフ育成やシフト管理も担当するのか」
といった点を確認しておくと、入社前後のギャップを防ぎやすくなります。

役職名よりも大切なのは、実際に任される仕事内容と裁量の範囲です。

昇給・賞与の制度と基準

「昇給あり」「賞与あり」と書かれていても、昇給の頻度や金額、賞与の支給基準は職場によって大きく異なります。

確認したいのは、
「昇給は年何回あるのか」
「評価基準は何か」
「賞与は何ヶ月分が目安なのか」
「過去の支給実績はあるのか」
という点です。

制度と基準が曖昧な職場では、入社時の月給は悪くなくても、長期的に年収が伸びにくい可能性があります。
転職で年収アップを狙うなら、入社時の金額だけでなく、入社後に収入が上がる仕組みがあるかまで確認しましょう。

「年収も働き方も納得できる職場かどうか、応募前に確認したい」方へ

求人票に書かれた条件だけでは、その職場が自分に合っているか判断しきれないことがあります。飲食業界に特化したキャリアアドバイザーに相談すれば、
求人票の読み解き方や面接で確認すべきポイントを一緒に整理できます。

キャリアアドバイザーに相談する

自分の経験でどれくらいの年収を目指せるかを知るには

ここまで平均年収や職場別の違いを見てきましたが、最終的に重要なのは、「自分の場合はどうなのか」という個別の話です。
「料理人の平均年収は約379万円」というデータは、全体の傾向を知るには役立ちます。

しかし、それはあくまで平均です。
平均年収だけを見て自分の価値を判断するのは、さまざまな店の料理をまとめて「平均単価」だけで比べるようなものです。

同じ3年の経験でも、評価されるポイントは人によって違います。

ホテルで大規模な宴会料理をチームで正確に回してきた経験もあれば、個人店で調理・仕入れ・原価管理・アルバイト育成・クレーム対応まで幅広く担ってきた経験もあります。

どちらが上という話ではありません。
大切なのは、自分の経験がどの職場で高く評価されるのかを見極めることです。

自分では「普通にやってきたこと」だと思っていても、別の職場では高く評価される経験かもしれません。
だからこそ、転職で年収を上げたいなら、自分の経験の中で何が武器になるのかを整理しておく必要があります。

「転職するかどうかまだ決まっていない」「今の年収が妥当かどうかだけ知りたい」
という段階でも、飲食業界に詳しいキャリアアドバイザーへの相談は可能です。

相談したからといって、すぐに求人に応募する必要はありません。

自分の経験がどのような職場で評価されやすいのか、今の年収が市場と比べてどの程度の水準なのかを客観的に確認するだけでも、今後のキャリアを考える材料になります。

まとめ|料理人の年収は職場選びと経験の活かし方で変わる

料理人の平均年収は約379万円と、給与所得者全体の平均478万円を下回っています。
ただし、これはあくまで平均であり、実際の年収は職場の業態・規模・役職によって大きく変わります。

年収を上げるために大切なのは、料理のジャンルだけで判断しないことです。
同じ料理人でも、ホテル・ブライダル・個人店・チェーン店など、どの業態で働くかによって給与水準は変わります。

また、年収アップには調理技術だけでなく、原価管理・発注・スタッフ育成・メニュー開発など、現場を任せられる力も重要です。
転職時は月給だけで判断せず、固定残業代・賞与・手当・休日・昇給制度まで確認しましょう。

「自分の経験でどのくらいの年収を目指せるのか」「今の年収は妥当なのか」と感じている方は、
ぜひ一度、飲食業界に詳しいキャリアアドバイザーに相談してみてください。

飲食業界での転職を、一人で抱え込まないでください。

まずは話を聞いてみるだけでも構いません。
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