カフェ開業で成功するには?成功する店の4つの特徴【2025年版】
なぜ、同じように開業資金を用意し、同じように物件を探し、同じように準備を進めても、
成功するカフェと失敗するカフェに分かれてしまうのでしょうか?
この記事では、成功しているカフェが「何を」「どのように」決めているのかを、具体的な事例とともにお伝えしていきます。すでに開業されている方向けに、今からでも軌道修正できる方法もご紹介していますので、参考にしていただければ幸いです。
こんな方におすすめの記事です。
・カフェ開業を具体的に検討している方
・開業準備を進めているが何を決めるべきか分からない方
・すでに開業しているが思うように集客できていない方
カフェ開業で成功する店の共通点とは?
カフェ開業を成功させるためには、設計段階が最も重要です。
多くの方が事業計画書をしっかりと作成し、計画に沿って行動することが理想だと考えています。
もちろんそれも大切です。
しかし、事業計画書の作成に捉われすぎていては、本質が見えてきません。
成功しているカフェは、事業計画書に書くべき項目を埋めることよりも、
開業前に4つのポイントを明確に決めていることが共通点です。
逆に言えば、この4つのポイントを曖昧なまま開業してしまうと、
どれだけ良い立地で、どれだけ内装にこだわっても、経営は苦しくなります。
なぜカフェ経営は難しいのか?
カフェ経営が儲からない理由や失敗する原因については、こちらの記事で詳しく解説しています。
カフェ経営は難しい?「やめとけ」と言われる4つの失敗理由
では、成功しているカフェが明確に決めている「4つのポイント」とは何なのか、
具体的に見ていきましょう。
成功する特徴①:ターゲット顧客が明確に決まっている
成功しているカフェの最大の特徴は、誰に来てほしいのかが明確です。
「ゆっくりするのが好きな人」「コーヒーが好きな人」「30代男性」「20代女性」といった、
曖昧なターゲット設定ではダメなのです。次の3つの質問に具体的に答えられなければなりません。
■ターゲット設定の3つの質問
①どんな人に来てほしいのか?
年齢、性別、職業、ライフスタイルまで具体的に想定します。
例えば:
・「30代の働く女性で、ランチ後にひとりでゆっくり読書したい人」
・「フリーランスで、静かに仕事ができる場所を探している人」
・「近隣に住む子育て中のママで、子連れでも気兼ねなく過ごせる場所を求めている人」
このように、実在する人物をイメージできるレベルまで具体化することが重要です。
②いくら使う人なのか?
ターゲットの客単価を明確にします。
・ワンコイン(500円)でサッと済ませたい人なのか
・1,000円〜1,500円かけてゆっくり過ごしたい人なのか
・2,000円以上使ってでも特別な体験を求めている人なのか
客単価が違えば、提供するメニューも、店の雰囲気も、立地選びも変わります。
③何時間滞在する人なのか?
滞在時間によって、座席数や回転率の設計が変わります。
・30分〜1時間のサクッと利用(回転率重視)
・2〜3時間のゆっくり利用(客単価重視)
・半日以上の長時間利用(仕事や作業をする場所として)
滞在時間とターゲット人数が分かれば、必要な座席数や1日の売上目標も逆算できます。
■ターゲットが曖昧だと何が起こるのか?
「誰でも来てほしい」と考えてしまうと、結果的に誰にも選ばれない店になります。
・メニューが中途半端
・価格帯がバラバラ
・立地とターゲットが合っていない
・内装のコンセプトが定まらない
すべてが「なんとなく」になり、お客様にとって「また来たい」と思える理由がない店になってしまいます。
成功する特徴②:ターゲットに合わせたメニュー設計をしている
ターゲットが明確になったら、次はそのターゲットが求めるメニューを設計します。
メニュー設計で重要なのは、「美味しいものを作る」ことではありません。
ターゲットが何を求めているのかを理解し、それに応えることです。
ここでは、ターゲットに合わせたメニュー設計の具体例を2つご紹介します。
■事例①:来店頻度を重視したメニュー設計
ターゲット:近隣に住む幼稚園や小学生などの子供を持つ主婦
このカフェは、近隣に住む主婦に何度も来てもらうことを目的としていました。
ママ友との来店をきっかけに、その後家族でも訪れていただけるような店作りをしました。
そのため、メニュー設計で重視したのは「興味を持ってもらえる(飽きさせないこと)」です。
メニュー設計のポイント:
・季節ごとにメニューを変更(春夏秋冬で4回)
・定番メニューの種類を絞る
・期間限定メニューで「今しか食べられない」価値を提供
・大人でも食べられるお子様ランチを提供する
近隣に住む主婦がターゲットであれば、リピート率が売上を左右します。
「いつ行っても同じメニュー」では飽きられてしまうため、変化を持たせることが重要です。
また、お子様ランチなど、ママ友だけの来店に限らない「来てよかったから、今度家族も一緒に来よう。」と思われるお店作りにしています。
■事例②:打ち合わせ利用に特化したメニュー設計
ターゲット:中小企業の社長様(ビジネスの打ち合わせで利用する人)
ガヤガヤした場所ではなく、落ち着いて話ができて、打ち合わせ相手にも不快感を与えない上品な雰囲気を求めている人たちです。
このカフェは、ビジネスの打ち合わせに利用されることを想定し、
ターゲットをビジネスマンに絞りました。そのため、メニュー設計も長時間滞在を前提にしています。
滞在時間が長いターゲットには、客単価を上げる仕組みが必要です。
回転率は低くなるため、1人あたりの売上を確保する設計にします。
※ビジネスマンに絞ったからと言って、ビジネスマンしか来ないというわけではございません。
 例えばコンセプトを好きになっていただいた高齢者の方などがリピーターになる傾向もあります。
提供商品数は豊富じゃなくても良い
どちらの事例も共通しているのは、ターゲットが絞られているので、
提供商品の種類も絞られていることです。
提供商品の種類が多すぎると:
・食材ロスが増える
・調理時間が長くなる
・オペレーションが複雑になる
・原価管理が難しくなる
ターゲットに合わせて絞り込んだメニューの方が、結果的に利益率も高くなり、運営も楽になります。
成功する特徴③:ターゲットに合わせた立地を選んで考えている
カフェ経営において、「立地がすべて」と言われることがあります。
しかし、正確には「ターゲットに合った立地」がすべてです。
どれだけ人通りが多い場所でも、ターゲットとする顧客がいなければ意味がありません。
逆に、人通りが少なくても、ターゲットが確実にいる場所なら成功する可能性があります。
■立地選びの基本:ターゲットがいる場所を選ぶ
立地を選ぶ際に重要なのは、次の2つの質問に答えることです。
①ターゲットは、この場所に存在するのか?
例えば:
・主婦をターゲットにするなら、住宅街や徒歩圏内
・ビジネスマンをターゲットにするなら、オフィス街や駅近
・観光客をターゲットにするなら、観光地や商業施設周辺
ターゲットが存在しない場所に出店しても、集客はできません。
②出店場所にターゲットがいるのか?
人がいるだけでは不十分です。「この場所で〇〇(特定のコンセプト)のようなカフェを使いたい」というニーズがあるかを見極める必要があります。
例えば:
オフィス街でも、社内に休憩スペースが充実していればカフェのニーズは低い
住宅街でも、競合カフェが多く差別化が出来ていない場合シェアの獲得が難しい
駅近でも、通勤客が多いだけで出店するコンセプトと異なるターゲットしかいない場合は厳しい
■家賃は売上の10%以内に抑える
立地選びで忘れてはいけないのが、家賃のバランスです。
カフェ経営では「家賃は売上の10%以内」が理想です。
例えば(月25日営業の場合):
家賃20万円なら、月商200万円(1日8万円)が必要
客単価1,000円なら、1日80人の集客が必要
どれだけ良い立地でも、家賃が高すぎれば利益は残りません。
ターゲットから逆算した売上目標と、家賃のバランスを必ず確認してください。
成功する特徴④:どういう内装にするかを決めている
ターゲット、メニュー、立地が決まったら、最後は内装です。
内装も、ターゲットに合わせて設計する必要があります。
「おしゃれな内装にしたい」という自分の希望ではなく、ターゲットが求めている空間を提供することが重要です。
■内装:ターゲットが居心地良いと感じる空間を作る
内装は、ターゲットの好みやニーズに合わせて設計します。
例えば:
近隣の主婦がターゲットの場合
・アットホームで親しみやすい雰囲気
・長時間座っても疲れない椅子
・子連れでも利用しやすい広めの席
ビジネスマンがターゲットの場合
・落ち着いた上品な内装
・間隔に余裕のある座席配置(打ち合わせに配慮)
・Wi-Fi、コンセント設置
観光客がターゲットの場合
・インスタ映えする特徴的なデザイン
・地域性を感じさせる内装
・写真撮影しやすい空間づくり
内装にお金をかけることが重要なのではなく、ターゲットが求める空間を提供することが重要です。
■すべては「ターゲット」から逆算する
すべては「ターゲット」から逆算する
ここまで見てきたように、成功しているカフェはすべてをターゲットから逆算しています。
・メニューもターゲットに合わせて
・立地もターゲットに合わせて
・内装もターゲットに合わせて
すべてが一貫していることで、ターゲットに「このカフェは自分のための場所だ」と感じてもらえるのです。
■カフェや飲食店の開業・経営でお悩みの方へ
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【古民家カフェ開業を検討している方へ】ターゲット設定の注意点
古民家カフェは、その独特の雰囲気から人気がありますが、ターゲット設定を間違えると失敗しやすい業態でもあります。
古民家カフェを開業する際に、特に注意すべきポイントをお伝えします。
■「古民家が好きだから」では成功しない
古民家カフェを始めたい方の多くが、
「古民家の雰囲気が好き」「古民家を活用したい」という動機で開業を考えます。
しかし、それは「自分視点」であり、「顧客視点」ではありません。
重要なのは、古民家カフェを求めているターゲットは誰なのかを明確にすることです。
●古民家カフェのターゲット例
古民家カフェに来る顧客は、大きく分けて以下のようなタイプがあります。
①非日常を求める観光客
・地域の観光ついでに立ち寄る
・インスタ映えする写真を撮りたい
・客単価は高め(1,500円〜2,000円)
・滞在時間は1〜2時間
②静かな空間を求める地域住民
・落ち着いた雰囲気でゆっくり過ごしたい
・定期的に通える場所を探している
・客単価は中程度(1,000円〜1,500円)
・滞在時間は2〜3時間
③作業場所を求めるフリーランス
・古民家の落ち着いた空間で仕事をしたい
・Wi-Fi、コンセントが必須
・客単価は中程度(1,000円〜1,500円)
・滞在時間は3時間以上
どのターゲットを選ぶかで、立地・メニュー・価格帯・内装のすべてが変わります。
■古民家カフェは立地選びが最重要
古民家カフェは、物件の立地が限定されることが多く、
「良い古民家があるから開業する」という順番になりがちです。
しかし、先に立地ありきで進めると、ターゲットとミスマッチが起こります。
例えば:
・観光客をターゲットにするなら、観光地や観光ルート上に物件が必要
・地域住民をターゲットにするなら、住宅街や生活圏内に物件が必要
・フリーランスをターゲットにするなら、大通りなどの発見されやすい物件が必要
「古民家物件が見つかったから開業する」のではなく、ターゲットを決めてから、そのターゲットがいる場所の古民家を探す順番が正しいのです。
【既に開業している店舗向け】今から軌道修正する方法
「すでにカフェを開業してしまったけれど、思うように集客できていない」という方もいらっしゃるでしょう。
安心してください。今からでも軌道修正は可能です。
ここでは、既に開業している店舗が、今から成功に向けて修正できる4つのステップをご紹介します。
■ステップ①:現在のお客様を分析する
まず、今来ているお客様は誰なのかを分析しましょう。
・どんな年齢、性別の人が多いか
・何時間、滞在しているか
・いくら使っているか
・何を注文しているか
・どんなシーンで利用しているか(ひとり、友人、仕事など)
この分析から、実際に来ているお客様の傾向が見えてきます。
■ステップ②:ターゲットを再設定する
分析結果をもとに、ターゲットを再設定します。
ここで重要なのは、「来てほしい人」ではなく「実際に来ている人」をターゲットにすることです。
例えば:
・当初は「ビジネスマン」をターゲットにしていたが、実際は「子連れママ」が多い
・「観光客」を想定していたが、実際は「ビジネスマン」がリピートしている
このように、実際の顧客像に合わせてターゲットを修正します。
■ステップ③:ターゲットに合わせてメニュー・内装を調整する
ターゲットが再設定できたら、そのターゲットに合わせて調整します。
メニューの調整:
・ターゲットが求めるメニューに絞り込む
・不人気メニューは思い切って削除
・ターゲットに合わせて(ちょっと思い切って)価格を見直す
内装の調整:
・ターゲットが居心地良いと感じる空間に変える(他のターゲットの意見を聞かない)
・座席配置や照明を見直す(予算の範囲で、現状以上の環境を提供できるか)
・必要な設備(Wi-Fi、電源、キッズスペースなど)を追加(より多くのターゲットにファンになっていただく)
大掛かりなリフォームではなく、小さな変更でも効果は出ます。
■ステップ④:ターゲットに情報を届ける
最後に、再設定したターゲットに向けて情報を届けます。
・Googleマップの情報を更新(ターゲットが検索するキーワードを意識)
・SNSの発信内容を見直す(ターゲットが興味を持つ内容に)
・店頭の看板やメニュー表を分かりやすく
・チラシの配布を行う
ターゲットが明確になれば、どこで・どのように情報を届けるべきかも見えてきます。
■軌道修正は「早ければ早いほど良い」
カフェ経営で重要なのは、うまくいかないと感じたら早めに軌道修正を検討することです。
「もう少し頑張れば…」と同じやり方を続けても、状況は変わりません。
今からでも遅くありません。
ターゲットを見直し、それに合わせて調整していきましょう。
まとめ:カフェ開業で最重要なのは「ターゲットの明確化」
カフェ開業で成功するために最も重要なことは、開業前であればターゲットを明確にすること。
開業後であれば、既存の顧客を分析することです。
ターゲットが決まれば、メニュー、立地、内装のすべてが自然と決まります。
逆に、ターゲットが曖昧なままでは、どれだけ準備をしても成功は難しくなります。
「誰に来てほしいのか」を明確にすることから、カフェ開業を始めましょう。
■カフェや飲食店の開業・経営でお悩みの方へ
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