飲食店の立て直しは現場の数字から|経費を削る前に見直したい5つのポイント
経費を見直したのに、売上がなかなか回復しない。
飲食店の立て直しに取り組んでいると、こうした状況に直面することがあります。
経費削減は、収支を改善するために必要な取り組みです。
ただ、料理の提供が遅い、混雑すると店が回らない、
作る人によって味や盛り付けに差が出るといった現場の課題は、経費を削っただけでは改善しません。
売上や客数の回復を目指すのであれば、支出だけでなく、
ご自身の飲食店が日々どのように回っているのかを見る必要があります。
この記事では、料理の提供時間やピーク時の動きなど、現場で確認したい5つのポイントを紹介します。
「経費は見直したけれど、その次に何をすればいいのか分からない」という方は、
自店の状態と照らし合わせながら確認してみてください。
経費削減だけでは、店の立て直しが難しい理由
赤字が続くと、まず経費を見直そうと考える飲食店は少なくありません。
売上を増やすことよりも先に、無駄な支出を減らして収支を改善しようという考え方です。
経費を見直すこと自体は必要です。
ただ、それだけで売上や客数が回復するわけではありません。
経費を削れば支出が減るため、月の収支は改善する可能性がありますが、
一方で、料理の提供が遅い、混雑するとホールや厨房が回らない、
スタッフによって料理の仕上がりに差が出るといった問題は、そのまま残ります。
料理の待ち時間や接客のスムーズさ、料理の味や見た目は、お客様の満足度にも影響します。
人件費まで削りすぎると、スタッフが足りず、かえって料理の提供が遅れたり、ピーク時に店が回らなくなったりすることもあります。
そのため、経費を見直したあとは、現場のどこに改善できる部分があるのかを確認していくことが大切です。
ただし、今月の家賃や仕入れ代など、直近の支払いに必要な資金が足りない場合は話が別です。
その場合は、現場改善よりも先に、支出の見直しや資金繰りの確保を優先する必要があります。
飲食店の立て直しを始める前に、まず数字のどこが悪くなっているかを見る
「売上が落ちた」「利益が残らない」といっても、その原因は店によって違います。
お客様の数が減っているのか。
1人あたりの注文額が下がっているのか。
売上は維持できているのに、経費が増えているのか。
利益は出ていても、支払いに必要な現金が足りないケースもあります。
原因によって、最初に見直すべき場所は変わります。
まずは、自店がどの状態に当てはまるのかを確認してみましょう。
| 状態 | 最初に見るところ |
| 客数が減っている | 来店後の再来店につながっているか |
| 客単価が下がっている | メニュー構成や注文内容はどうか |
| 売上はあるのに利益が残らない | 原価・人件費などの支出は適正か |
| 利益は出ているのに資金が回らない | 資金繰りはどうなっているか |
たとえば客数が減っている場合、すぐに集客施策を増やせば解決するとは限りません。
一度来店したお客様が戻ってきていないのであれば、
料理や接客、待ち時間など、店内での顧客体験に原因がある可能性があります。
一方、売上は変わっていないのに利益だけが減っているのであれば、
現場より先に原価や人件費などを確認したほうがよい場合もあります。
同じ「経営が厳しい」という状態でも、原因によって取るべき対策が変わってきます。
ここからは、現場の見直しが必要な場合に確認したい5つのポイントを見ていきましょう。
ポイント1|料理の提供に時間がかかっていないか
まず確認したいのが、料理を注文してから提供するまでの時間です。
普段は問題なく料理を出せていても、ランチやディナーのピーク時になると急に提供が遅くなる店があります。
その場合、単純に「忙しいから仕方がない」で終わらせず、どこで時間がかかっているのかを確認します。
見るポイントは、たとえば次のような数字です。
・オーダーから料理を提供するまでの時間
・ピーク1時間あたりに提供できている料理の数
・スタッフ1人あたりが担当している卓数
これらをピーク時だけでなく、比較的空いている時間帯にも測ってみます。
たとえば、空いている時間帯には10分で提供できている料理が、
ピーク時に20分かかっているのであれば、混雑したときに何らかの作業が滞っている可能性があります。
仕込みが足りないのか、調理を始めるまでに時間がかかっているのか、
盛り付けで詰まっているのか、洗い場から必要な器が戻ってきていないのか。
「提供が遅い」という結果だけを見るのではなく、その途中で何が起きているのかを確認することが大切です。
ポイント2|人によって料理の仕上がりが変わっていないか
同じ料理でも、作るスタッフによって味や量、盛り付け、提供時間が変わっていないでしょうか。
来店するたびに味や盛り付けが違えば、「前回はおいしかったのに今回は違う」と感じられ、再来店にも影響する可能性があります。
こうしたばらつきを減らすためには、スタッフ個人の経験だけに頼らず、店として一定の基準を持つことが必要です。
たとえば、
・使用する食材の量
・調味料の分量
・調理手順
・盛り付け方
・提供する順番
などです。
すべてのメニューを一度に見直す必要はありません。
まずは注文数の多いメニューから、誰が担当しても大きな差が出ない状態をつくっていきます。
料理の品質が安定すると、提供時間のばらつきも見つけやすくなります。
ポイント3|厨房やホールに無駄な動きがないか
次に見るのが、スタッフの動きです。
厨房やホールでは、数歩の違いや1回の往復でも、ピーク時には大きな時間の差になります。
たとえば、
・よく使う器が調理場所から離れている。
・料理を運ぶたびにカトラリーを別の場所まで取りに行っている。
・洗い場から戻るスタッフと、料理を運ぶスタッフの動線が重なっている。
一つひとつは小さなことでも、営業中に何十回、何百回と繰り返されれば、提供時間にも影響します。
設備を増やす前に、まずは今ある設備や備品の置き場所、スタッフの動きを見直してみましょう。
配置を少し変えるだけで改善するケースもあります。
変更したあとは、実際に提供時間が短くなったのかを確認します。
「動きやすくなった気がする」だけで判断せず、時間などの数字で確認することがポイントです。
ポイント4|メニューが現場の負担になっていないか
メニューの数が多いと、お客様にとっては選べる楽しさが増える一方で、店側の負担も大きくなります。
仕込みの種類が増え、在庫管理が複雑になり、スタッフが覚える調理手順も増えます。
特に確認したいのが、注文数が少ないにもかかわらず、仕込みや調理に時間がかかっているメニューです。
こうしたメニューが複数あると、売上への貢献が小さい一方で、厨房の負担だけが大きくなっている可能性があります。
メニューを見直すときは、「どれだけ注文されているか」だけでなく、
「提供するまでにどれだけ時間や手間がかかっているか」もあわせて確認します。
注文数が多く、提供にも時間がかかるメニューであれば、外すのではなく工程を見直す方法もあります。
逆に、注文数が少なく、仕込みや調理の負担も大きいのであれば、メニューから外すことも検討できます。
価格を見直す場合も、先に料理やサービスの品質を安定させておくことが大切です。
ポイント5|改善したあとに数字を確認しているか
厨房の配置やスタッフの役割分担、調理の手順などを見直したあとは、実際に効果が出ているかを数字で確認します。
たとえば、厨房の配置を変えたのであれば、料理の提供時間が短くなったかをもう一度測ります。
役割分担を変えたのであれば、ピーク時の担当卓数や提供数に変化があったかを確認します。
改善策を取り入れても、必ず数字が良くなるとは限りません。
思ったほど変化が出なければ、別の場所に原因がある可能性があります。
大切なのは、改善して終わりにするのではなく、結果を確認し、必要に応じて次の見直しにつなげることです。
売上だけを見ていると、「いろいろ改善したのに何も変わらない」と感じることがあります。
しかし、提供時間やスタッフの動きが先に改善し、そのあとにお客様の満足度や再来店、売上につながることもあります。
そのため、売上だけでなく、提供時間や提供数など現場の数字もあわせて確認していくことが大切です。
自店だけでは、売上が落ちている原因が見えにくいこともある
ここまで紹介した内容は、自店でも確認できます。
ただ、実際の立て直しでは、一つの原因だけで売上が落ちているとは限りません。
たとえば、
・料理の提供が遅い
・スタッフが足りない
・メニュー数が多い
・原価が上がっている
・常連客が減っている
こうした問題が同時に起きていることもあります。
その場合、「何から先に直すべきか」を判断することが難しくなります。
また、毎日同じ厨房やホールで働いていると、その動きが当たり前になり、無駄に気づきにくくなることもあります。
基本的な数字を確認することは自店でもできますが、
「数字は見たけれど、どこが問題なのか分からない」
「いくつか改善してみたものの、売上が変わらない」
という状態になったときは、第三者の視点を入れることも一つの方法です。
こんな状態なら、一度相談してみるのも選択肢
飲食店の立て直しでは、売上が落ちている原因を正しく見極めることが大切です。
経費を見直すべきなのか、メニューを変えるべきなのか、人員配置を見直すべきなのか。
原因によって、必要な対策は変わります。
特に、次のような状態が続いている場合は、自店だけで判断し続けるのではなく、第三者に相談することも選択肢のひとつです。
・経費を見直しても、売上や客数が回復しない
・売上が落ちた原因が分からない
・ピーク時になると厨房やホールが回らない
・スタッフによって料理やサービスの品質に差がある
・メニューを見直したいが、何を残すべきか判断できない
・改善策を試しても、思うように数字が変わらない
・何から見直せばよいのか分からない
こうした状態では、ひとつの問題だけではなく、現場の動きやメニュー構成、人員配置、支出など、複数の要因が重なっている可能性があります。
まずは現在の売上や客数、現場の状況を整理し、どこに問題があるのか、
何から見直すべきなのかを明確にすることが大切です。
飲食店の立て直しでお悩みの方へ
「売上が落ちている原因が分からない」
「経費は見直したけれど、思うように改善しない」
「何から手をつけるべきか判断できない」
このようなお悩みがある場合は、
まず現在の売上や客数、現場の状況を整理するところからご相談いただけます。
原因や改善策がまだ分からない段階でも問題ございません。
飲食店の立て直しや経営改善でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
よくある質問
Q. 個人経営の1店舗でも立て直しの相談はできますか?
A. はい、1店舗の個人経営でもご相談いただけます。
売上や客数、現場の状況を確認しながら、どこに課題があるのか、何から見直すべきかを整理していきます。
「売上が落ちた原因が分からない」「何から手をつければいいか分からない」という段階でも問題ありません。
Q. お店を営業を続けながら立て直すことはできますか?
A. はい、営業を続けながら進められる改善もあります。
たとえば、提供時間の測定やスタッフの動きの確認、メニュー構成の見直しなどは、営業を続けながら取り組めます。
設備の変更など営業に影響する改善が必要な場合は、店舗への負担を考えながら進め方を検討します。
Q. 何を相談すればいいのか分からなくても大丈夫ですか?
A. はい、原因や改善策が分からない段階でもご相談いただけます。
売上や客数、客単価、原価、人件費、提供時間などを確認しながら、どこに課題があるのか、何から見直すべきなのかを一緒に整理していきます。
「売上が落ちているけれど、原因が分からない」という状態でも安心してご相談ください。
まとめ
飲食店の立て直しでは、経費を削るだけでなく、日々の営業にどのような課題があるのかを確認することが大切です。
料理の提供時間やスタッフの動き、料理の品質、メニュー構成などを見直すことで、売上や客数が伸び悩んでいる原因が見えてくることがあります。
ただし、実際には一つの原因だけではなく、複数の問題が重なっているケースもあります。
「経費は見直したけれど売上が回復しない」
「改善したいけれど、何から手をつければいいのか分からない」
そのような場合は、まず現在の数字や現場の状況を整理し、どこから見直すべきなのかを明確にすることが重要です。
自店の課題や改善の進め方にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
飲食店の立て直しを、現場から一緒に考えます
売上が落ちている原因は、店舗によって異なります。
「経費を見直しても売上が回復しない」
「現場に課題があるのは分かっているけれど、どこから改善すればいいのか分からない」
そんなときは、第三者の視点を入れて、現在の店舗の状況を整理してみることも一つの方法です。
八芳園ヒューマンリソースマネジメントでは、飲食店の現場に寄り添いながら、
店舗が抱える課題に応じた改善をご提案しています。
自店の課題や、飲食店の立て直しについてお悩みの方は、飲食業務受託事業のサービスをご覧ください。