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3/8/2024

コラム

奨学金の返済期間が短くなる? 繰り上げ返済のメリット・デメリットを解説

奨学金の返済は一般的に15年〜20年といわれています。今、返済が始まったばかりの方からすると、それは途方もない年月に感じると思います。
例えば、現在23歳の方が返済期間20年だった場合、完済する頃には43歳になってしまいます。


「そんなに長い期間返済し続けて、自分の将来は大丈夫かな...」
「少しでも早く完済させる方法はないのかな?」そう考えた方もいるのではないでしょうか。


結論をいうと、奨学金の返済期間は短くできます。それは「繰上返還」という制度、その他にも、”本来15年かかる奨学金の返済を8年ほどで完済できる” 「奨学金返済の支援制度」があるからです。

この記事では、繰り上げ返済することのメリット・デメリット、返済期間を短くできる理由や、その他の「奨学金返済の支援制度」ついて、日本学生支援機構(JASSO)の奨学金をもとに解説していきます。
※日本学生支援機構(JASSO)の奨学金の場合『返還』としていますが、本記事では『返済』と記載いたします。

奨学金の繰り上げ返済とは?


奨学金の繰り上げ返済とは?


奨学金の繰り上げ返済とは、奨学金の返済を”前払いできる”という制度です。毎月返済する金額に加えて、好きな金額を設定することで前払いで返済が可能です。
つまり、この制度を利用し前払いをすることで完済までの期間が短くなるのです。繰り上げ返済の制度を利用するために、”奨学金の種類”や”返済がいつから始まるのか”も重要なポイントです。

奨学金の種類は、以下の3つです。

・貸与型第一種:返済の必要があり、利子がつかない
・貸与型第二種:返済の必要があり、利子がつく
・給付型:返済の必要がない

奨学金の返済は、貸与が終わってから7ヵ月目に始まります。
例)3月まで奨学金を借りて卒業した場合、10月から返済が始まります。


上記のことから繰り上げ返済は、返済の必要がある「貸与型一種」「貸与型二種」が対象です。また貸与終了後の7ヶ月目から返済が始まるという点もポイントです。



「据置期間利息について」
実は「貸与型二種」には、”貸与が終わって返済が始まるまで”の6ヶ月間に、利息が発生していることを知っていましたか?
まだ返済が始まっていなくても、貸与が終了した時点から利息が発生しているのです。この期間に発生する利息のことを”据置期間利息”といいます。

この据置期間利息は、返済期間中に均等に分割されて返済額に加えられます。
例えば、返済期間10年(120回)・貸与額が100万円・貸与利率1.0%の場合、1回の返済当たりの据置期間利息は約41円ということになります。
引用:奨学金なるほど相談所


繰り上げ返済の種類

繰り上げ返済には「返済月額軽減型」と「返済期間短縮型」の2種類があります。

・繰り上げ返済後の返済月額が少なくなる返済月額軽減型
返済期間が短くなって、返済月額は変わらない返済期間短縮型

日本学生支援機構の繰り上げ返済は返済期間短縮型です。
つまり、繰り上げ返済をした後の返済月額は変わらず、”返済期間が短くなる”ということです。

繰り上げ返済のメリット・デメリット


繰り上げ返済のメリット・デメリット

繰り上げ返済は、”奨学金を前払いすることで、返済の期間が短くなる”ということを説明してきました。それでは、繰り上げ返済にはどんなメリットやデメリットがあるのでしょうか? 以下にメリット・デメリットを解説します。


奨学金繰り上げ返済のメリット

奨学金の繰り上げ返済には、以下4つのメリットがあります。


・長い返済期間が短くなる

繰り上げ返済の代表的なメリットは、奨学金の返済期間が短くなることです。例えば、10年だったものが残り5年に減るだけでも、精神的な負担はだいぶ軽くなります


・機関保証の方は、保証料の一部が返金される可能性がある

機関保証を選択した方は、支払った保証料の一部が返金される可能性があります。返金の該当事項は以下の通りです。

① 全額繰上返還をして、日本学生支援機構で定められていた返還期間が短縮されたとき
② 一部繰上返還をして、日本学生支援機構で定められていた返還期間が短縮されたあと、返還が完了となったとき
③ 日本学生支援機構の返還免除の適用を受け、返還が完了となったとき

※一部繰り上げ返済した場合でも、奨学金の全額が返済完了するまで、返金されません。返金される時期は、奨学金の返済が完了してから約3ヶ月後です。※公益財団法人日本国際教育支援協会(JEES)機関保証センター


・繰り上げた期間の分だけ利息も少なくなる

貸与型第二種で利用していた方は、”繰り上げをした月額の分だけ利息がかからない”ので、当初予定していた総額より、返済金を減らすことができます。
例)500万円を年利1%の利息で10年間かけて返済する場合、7万2666円の利息負担を削減できることになります。※引用:MoneyFix

※注意点として繰り上げ返済する場合、”繰り上げ返済をした期間”の利息はかかりませんが、先ほど説明した 据置期間利息 はかかるので覚えておきましょう。


・奨学金の繰り上げ返済の手数料がかからない

日本学生支援機構で、繰り上げ返済する際の手数料は「無料」です。ちなみに、教育ローンでも繰り上げ返済は可能ですがその場合、金融機関によっては事務手数料を求められることがあります。よって「無料」で繰り上げ返済できる日本学生支援機構の制度は、返済する側にとってメリットと言えるでしょう。


奨学金繰り上げ返済のデメリット

繰り上げ返済は、誰にでもメリットになるわけではありません。では、どのようなデメリットがあるのか見ていきましょう。

・貯蓄が減る:繰り上げ返済するためには、金銭面での余裕がないと自分自身が困窮してしまいます。そのため、今の生活に余裕がない方は、繰り上げ返済は控えた方が良いでしょう。
利息が低い: 奨学金の利息は他のローンに比べて低いため、​仮に少額を繰り上げて返済しても、返済金の総額にさほど変化がない可能性があります。
繰り上げ返済後も支払いが続く:繰り上げ返済すると返済期間は短縮されるものの、翌月からしばらくお休みができる。というわけではありません。翌月からも返済が続くため、無理して繰り上げ返済することはオススメしません。

奨学金繰り上げ返済の手続き方法


奨学金繰り上げ返済の手続き方法

ここまでは、繰り上げ返済のメリット・デメリットを解説してきました。
転職をして収入が増えたり臨時収入が入ったから、繰り上げ返済をしておこうという機会があると思います。では、繰り上げ返済の申請は、どのようにするのでしょうか?

繰り上げ返済の申請方法

日本学生支援機構(JASSO)での繰り上げ返済の申請方法は、下記の2つです。

・インターネット申請(スカラネットパーソナル)
・郵送またはファックス

基本的には、スカラネット・パーソナルから申し込みますが、スカラネット・パーソナルが利用できない場合は「繰上返還申込書」を郵送・FAXで申請できます。

スカラネットパーソナルでの申請方法

日本学生支援機構(JASSO)の「スカラネット・パーソナル」を通じたインターネット申請です。
※繰上返済を申請する際に、【奨学生番号】と【口座振替(リレー口座)】が必要になりますので、予め準備しておきましょう。


「リレー口座とは」
リレー口座とは、奨学金を返済するための口座のことを指します。(奨学金の貸与終了時に加入が必要。)リレー口座という言葉は『あなたの返還金が後輩奨学生の奨学金として循環利用される(リレー形式)』という意味からきています。

振替手数料は無料です。※今後変更される可能性があります。
奨学金の返済は、毎月27日にこの口座振替(リレー口座)から引き落としにて行われるため、入金漏れの無いように注意が必要です。日本学生支援機構の口座振替(リレー口座)についてはコチラ


郵送やファックスでの申請方法

オンライン手続きが難しい場合、郵送やファックスを使った手続きも可能です。これは「繰上返還申込書」を使用し、必要情報を記入して送付する申請方法です。

・繰上返還申込書のダウンロードはコチラ
・記入例の確認はコチラ

申込書の記入には注意が必要で、間違いのないよう正確に情報を記入することが重要です。詳細は、日本学生支援機構のホームページよりご確認下さい。
日本学生支援機構(JASSO):繰上返還申し込み


繰り上げ返済だけではない「救済制度と支援制度」


繰り上げ返済だけではない「救済制度と支援制度」


奨学金の繰り上げ返済は、前払いをして返済期間を減らすという方法でした。しかし「返済期間を短くしたいけど、前払いする余裕はない」「今、困っていて負担を減らしたい」という方もいるのではないでしょうか?そんな方に向けて、日本学生支援機構(JASSO)の救済制度と奨学金支援(代理返還)制度をご紹介します。


日本学生支援機構(JASSO)の救済制度

奨学金の返済が難しくなった場合に、利用できる救済制度を紹介します。主なものとして「返還期限猶予」と「減額返還」があります。


【返還期限猶予制度】:奨学金の返済を”待ってもらえる”制度です。
・条件としては、給与所得者(年収300万円以下)、給与所得以外の方(年間所得200万円以下)
・適用できる期間は、1年ごとの申請で、最長10年間

経済的困難、傷病、災害などの理由で返済が難しい場合は、返済を一時的に先送りをして
先送りした分だけ、返済の終了年月が延長されます。


減額返還制度】:返済月額を1/2、または1/3に減額してもらう制度です。
・条件としては、給与所得者(年収325万円以下)、給与所得以外の者(年間所得225万円以下)
・適用できる期間は、1年ごとの申請で、最長15年間

経済的困難、傷病、災害などの理由で返済が難しい場合は、月の返済を減らし、減らした分だけ返済期間が延長されます。


申請方法はこちらの記事で解説しています。合わせて参考にしてくださいね。
奨学金の種類や減額方法、延期方法について返還に対して不安を抱えるあなたへ解説


奨学金支援(代理返還)制度

奨学金支援(代理返還)制度は、将来、各企業の担い手となる奨学金の返済者を ”応援” するため、従業員の代わりに企業が奨学金を返済する制度です。日本学生支援機構(JASSO)に登録している企業が導入できます。つまり、この制度を導入している企業で働くことで「本来15年かかる奨学金の返済を8年ほどで完済できる」支援制度なのです。
※企業によって条件は違うので、気になった方はぜひ日本学生支援機構(JASSO)でチェックしてみてください。


この制度を利用して働くことで得られるメリットは以下の4つです。

・返済期間が短くなる
・奨学金の返済を自分が前払いするわけではない
・企業に奨学金を返済してもらえる(一部または全額)
・奨学金返済の負担が減ることで、将来のために自己投資や貯金ができる

「挑戦はしたいけど、奨学金の返済期間が長くて未来が不安...」
そんな悩みのある方は八芳園ヒューマンリソースマネジメントまで、お気軽に相談してくださいね。

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