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3/18/2024

コラム

奨学金の利子は減らせる?「計算方法」と「返済負担の軽減方法」


奨学金を返済中の方にとって「利子は、どれだけ返済の負担になっている?」「利子の計算方法を知りたい」「利子がなくなったら、返済は楽になる?」
と考えたことはありませんか?

本記事では、奨学金の利子と計算方法について解説し、実際に利子がどれだけ負担になっているのかを説明します。
日本学生支援機構(JASSO)の奨学金をもとに、利子を減らせる制度と注意点、返済の負担が軽くなる「支援制度」「救済制度」も紹介していきます。


この記事を読むと、奨学金の利子についての疑問が解決されます。返済の悩みも軽減できますので、ぜひ最後までご覧ください。
※日本学生支援機構の奨学金は「返還」していますが、本記事では「返済」と記載します。


奨学金の利子とは?


奨学金の利子とは?


奨学金の利子とは、借りた奨学金に上乗せして支払うお金のことです。利子の金額は、借りた奨学金の種類・総額・期間・金利で決まります。
日本学生支援機構(JASSO)の奨学金には「利子がつくもの・利子がつかないもの」など種類があり、受給した種類によって返済金額が変わります。
以下に詳しく解説していきます。


奨学金の利子はいつから発生する?

奨学金の返済は、貸与終了の翌月から数えて7カ月目から始まります。
例えば、3月に貸与が終了すると10月から奨学金返済が開始します。ところが、奨学金の利子が発生するのは、貸与終了の翌月からです。3月に奨学金の貸与が終了すると、翌月の4月から利子が発生します。

上記のように、貸与が終了してから返済が開始されるまで(上記の例だと4月〜10月)に発生する利子のことを、据置期間利息(すえおききかんりそく)といいます。


利子が発生する奨学金の種類

奨学金の種類は、大きく分けて下記の3つがあります。

・給付型 (返済の必要がない)
・貸与型第一種(無利子)
・貸与型第二種(有利子)

利子が発生する奨学金の種類は「貸与型第二種(有利子)」です。貸与型二種(有利子)を受給した方は、総額・返済期間・金利から、利子が計算できます。


「奨学金の種類」について詳しく知りたい方は、下記にて詳しく解説しています。
奨学金の種類や減額方法、延期方法について 返還に対して不安を抱えるあなたへ解説
併せて参考にしてください。


利子と金利の違いについて】
奨学金の利子を計算する上で、重要になるのは「金利」です。利子と金利はよく似ている言葉のため、違いがわからないという方もいると思います。
「利子」「利息」「金利」「利率」の言葉の違いを以下に解説します。

「利子」「利息」
どちらもお金の貸借をする際、対価として支払われるお金の金額を指します。パーセンテージではなく、金額で示します。
【例】100万円の奨学金を借りると、3万円の利子(利息)がつく。

「金利」「利率」
どちらもお金の貸借をする際、対価として支払われるお金の割合を指します。金額ではなく、パーセンテージで示します。
【例】100万円の奨学金に3万円の利息がついた場合、年間の金利(利率)は3%


※年間の金利を「年利」・月間の金利を「月利」といいます。なお、日本学生支援機構(JASSO)が定めている、奨学金に対する金利は上限3%と決められています。
参照元:manewaka



奨学金の利率算定方式


「利率算定方式」とは、奨学金の利率を計算する方法を指します。奨学金の利率算定方式には「利率固定方式」と「利率見直し方式」の2種類があります。
まずは、違いをみていきましょう。

利率固定方式とは?メリット、デメリット

「利率固定方式」とは、奨学金の貸与終了時に決定した利率が、返済が終了するまで毎月固定で適用されます。「利率固定方式」のメリット・デメリットは以下のとおりです。


「メリット」
・利率が固定のため、市場の金利が上がっても返済額が増えない
・返済額が、金利の変動で影響しないので、返済計画を立てやすい。

「デメリット」
・市場の金利が下がった場合も、利率が固定のため返済額が安くならない。
・利率が、「利率見直し方式」に比べて高い。


市場金利(しじょうきんり)とは
市場の状況によって、変動する金利のことを「市場金利」と呼びます。
需要(お金を借りたい人)と供給(貸したい人)のバランスや、国の経済状況により変動します。例えば、好況期の場合は、お金の需要が増えるため金利が上昇しますが、不況期だとお金の需要が減るため金利が低下します。※参照元:資格対策ドットコム


利率見直し方式とは?メリット、デメリット

「利率見直し方式」とは、奨学金の貸与終了時に決定した利率が、おおむね5年ごとに見直しされ適応されます。市場金利に応じて金利が変動し、奨学金の返済額も上下します。※参照元:日本学生支援機構(JASSO)第二種奨学金の利率の算定方法の選択


「利率見直し方式」のメリット・デメリットは以下のとおりです。

「メリット」
・利率固定方式よりも、利率が低い。
・市場の金利が上昇しない場合、低い金利のままで返済できる。

「デメリット」
・市場金利が上昇した場合、返済額が増える可能性がある。
・おおむね5年ごとに金利が見直され、返済額が変わる可能性があるため返済計画が立てにくい。


利率の算定方式は変更できる?

利率算定方式の変更は、貸与期間が終了するとできなくなります。通常は、奨学金を申し込みする際に、「利率固定方式」「利率見直し方式」のどちらかを選択します。ただし、日本学生支援機構(JASSO)の利率の算定方法の変更によると「貸与期間が終了する月(卒業するまで等)の一定期間前まで変更できます。」と記載されています。

現在、返済中の方は変更ができないため、自分がどちらの算定方式を選んでいるのか確認し、返済計画を立てていく必要があります。
利率算定方式の確認は、学校から配付された「返還確認票」や「スカラネット・パーソナル」から確認ができます。※参照元:《貸与奨学金》返還方式・利率の算定方法の変更を希望する場合について



奨学金の利子を計算する方法


奨学金の利子を計算する方法

ここからは、利子の計算方法を手順ごとに分けて解説していきます。


①奨学金の貸与総額と返済回数を確認

まずは、奨学金の貸与総額と、返済回数を確認します。

「条件」
奨学金を毎月5万円借りて、4年制大学を卒業したと仮定します。

【貸与総額・返済回数の計算】
①貸与総額:5万円 × 12ヵ月 × 4年 = 240万円(総額)
②返済期間:240万円 ÷ 16万円(割賦金の基礎額※1) = 15年間(返済期間)
③返済回数:15年 × 12ヶ月 = 180回(返済回数)

※1(割賦金の基礎額)は、返済期間の算定基準。
以下の図は、日本学生支援機構が定めた返済期間算出のための「奨学金返還年数算出表」です。

奨学金返還年数算出表

※参照元:日本学生支援機構(JASSO)返還期間と割賦金より引用し、当サイトで画像を作成


②据置期間利息を計算

上記で算出した、貸与総額と返済回数に貸与利率を合わせて「据置期間利息」を計算していきます。

「条件」
貸与総額(240万円)・返済回数(180回)・貸与利率(0.153%)

※貸与利率は以下の図、令和元年、4月の「利率固定方式」の0.153%にて計算します。

日本学生支援機構の貸与利率

日本学生支援機構の貸与利率はコチラ

【据置期間利息の計算】
①年間利息:240万円×0.153%=3,672円
②月々の利息:3,672円÷12ヵ月=306円
③「据置期間利息の総額」:306円×6ヵ月=1,836円

※「据置期間利息」は、返済回数の180回で割って月々の返済額に上乗せします。月々の上乗せ額は以下の通りです。
④1ヵ月辺りの据置期間利息:1,836円÷180回=10円


③毎月の返済金額を確認しよう

貸与型第二奨学金の毎月の返済額は、「元利均等返済方式」という計算方法が用いられます。※参照元:返還期間と割賦金

元利均等返済とは・・月返済額が一定(利息・元金を含む)になるように計算されたものです。
毎月の返済額は一定ですが、返済が進むほど利息額は減っていき、元金の返済額が増えていきます。

<元利金等返済方式>

元利金等返済方式


「元利均等返済方式」では、月々の返済額を以下の式で計算します。

元利均等返済方式

とても複雑ですが、上記の計算式に以下の数字を当てはめていきます。

元金:240万円
月利率:0.0001275 =(年利0.153 ÷ 100 ÷ 12)
返済回数:180回

元利均等返済方式2


この計算により、元金+利子を合わせた、毎月の返済額は約13,487円となります。

ここに、先ほど算出した1ヵ月辺りの据置期間利息:10円を上乗せします。
元金+利子+据置期間利息の13,497円が毎月の返済額ということが分かります。


④日本学生支援機構(JASSO)の「奨学金貸与・返還シミュレーション」

ここまでは、奨学金の利子を計算する方法を解説してきました。しかし、計算式も複雑なため自分で計算するのは大変です。そんなときには、日本学生支援機構(JASSO)の返済シミュレーションがおすすめです。
こちらに必要事項を入力すると、簡単に利子を含めた返済総額や、月々の返済額・回数を確認できます。


以下の図は、先ほどの計算内容と同条件で、日本学生支援機構にてシミュレーションした内容です。

奨学金貸与・返還シミュレーション

※実際のシミュレーション結果をもとに、当サイトで画像を作成しています。


返済シミュレーションから、利子を含めた月々の返済額(月賦返還)は、13,497円と先ほどの計算と同じ結果になりました。
また、「利子のみ」を知る計算は以下の通りです。

・2,429,511円(返済総額)- 2,400,000円(貸与総額)= 29,511円(利子の合計)

つまり、貸与総額240万円・返済期間15年・貸与利率0.153%の場合、利子の総額はわずか29,511円です。


以上のことから、奨学金の利子は、貸与総額・期間・金利により金額が変わりますが、とても安いことがわかります。返済シミュレーションは、日本学生支援機構(JASSO)の公式サイトからいつでも行えます。利子の総額を知りたい方は、シミュレーションをしてみると良いでしょう。※日本学生支援機構の返済シミュレーションはコチラ



奨学金の利子は減らせる?


奨学金の利子は減らせる?

奨学金の利子を減らすことは可能です。日本学生支援機構(JASSO)の「繰上返還」(くりあげへんかん)という制度を活用することで、利子を減らすことができます。
しかし、注意点もあるため以下で解説していきます。


繰上返還を活用すると利子を減らせる

繰上返還とは、奨学金の返済を前払い(繰り上げて返済)することにより、返済期間を短くする制度です。毎月の返済額に加えて好きな金額を自分で設定して前払いします。返済期間が短縮した分の利子を減らせます。

申請は、日本学生支援機構(JASSO)の、インターネット申請(スカラネットパーソナル)または郵送やFAXにて行います。
詳しくは、日本学生支援機構の繰上返還申込みをご確認ください。


注意点として、繰上返還をする際は、金銭的な余裕があることが前提となります。
たとえ、数ヶ月分前払いしても、その後の返済は通常どおり行われます。十分な貯蓄がなければ、急な出費やケガ、病気があった場合に対応が難しくなるため、繰上返還の活用は慎重に検討しましょう。


一括返済はできる?

奨学金の一括返済とは、前述したとおり、日本学生支援機構(JASSO)の繰上返還を活用し、返済を一括で行うことを指します。

返済額は、一部 または 全額 を自分で設定するため、総額を一括で返済することも可能です。
繰上返還は、前払いする金額が大きい分だけ、支払う利子も減り、返済総額も少なくなります。
※ただし、「据置期間利息」に対する減額は適用されないため注意が必要です。※参照元:2023年度在学者用貸与奨学金案内(4)繰上返還を希望する場合


奨学金の利子は元々低く設定されているため、減額される利子が少ない場合があります。無理して前払いするより、将来のための貯蓄や収入アップのためのスキル向上に使うなど、よく考えて選択しましょう。


奨学金の繰上返還については、こちらで詳しく解説しています。
奨学金の返済期間が短くなる?繰り上げ返済のメリット・デメリットを解説
合わせて、参考にしてください。



奨学金返済の負担を減らす方法


「利子を減らす以外に、返済の負担を軽くする方法はないの?」と考えている方は、支援制度を活用することがおすすめです。以下に解説します。

奨学金返済の「支援制度」がオススメ

日本学生支援機構には「奨学金返還支援(代理返還)」という制度があります。この制度は、勤め先の企業が、あなたの代わりに奨学金の返済をしてくれる制度です。
日本学生支援機構に登録されている企業が導入できます。この制度を活用することにより、企業に返済の一部、または 全額を支援してもらいながら、安定して働けるため、金銭的にも精神的にも余裕が生まれます。

「収入が低くて、貯金をする余裕がない」「生活費と返済だけで給料がなくなる...」と悩んでいる方もいるでしょう。
その場合、奨学金返還支援(代理返還)を導入している企業へ、転職・就職することも視野に入れてみてはいかがでしょうか。



奨学金返済の「支援制度」がオススメの理由


奨学金返還支援(代理返還)がオススメな理由は「本来15年かかる奨学金の返済を8年ほどで完済できる」ことです。企業に支援をしてもらうことで、長期にわたる返済期限が短くなり、毎月の返済負担を軽減できます。

もう1つのメリットは、企業が直接、日本学生支援機構に返済額を送金してくれることです。
これにより、自分で返済する金額は減るものの、手取りの金額が変わらないため、本人の所得が増えて税金や社会保険料が上がる心配もありません。


奨学金返還支援(代理返還)は、様々な企業が導入しているため、希望の職に就きながら奨学金の返済を支援してもらうことが可能です。※条件は企業によって異なります。ご自身が働きたい業種もふくめて、事前に日本学生支援機構(JASSO)で確認をしておきましょう。


その他活用できる救済制度

日本学生支援機構(JASSO)では、返済が難しい場合(経済的困難、傷病、災害などの理由)に、「月々の返済額を少なくする制度」「返済を待ってもらう制度」といった救済制度が活用できます。以下に解説します。


「減額返還(げんがくへんかん)」
月々の返済額を「2分の1」または「3分の1」に減らし、返済期間を延長する制度です。

・条件としては、給与所得者(年収325万円以下)、給与所得以外の者(年間所得225万円以下)の方。
・適用できる期間は、最長15年(180ヵ月)です。
・1年ごとの申請が必要で、審査が通ることで月々の返済を減額できます。

申請は、日本学生支援機構(JASSO)の、インターネット申請(スカラネットパーソナル)または郵送やFAXにて行います。申請はコチラ



「返還期限猶予(へんかんきげんゆうよ)」
奨学金の返済を待ってもらえる制度です。返済を一時的に先送りし、終了年月が延長されます。

・条件としては、給与所得者(年収300万円以下)、給与所得以外の方(年間所得200万円以下)の方。
・適用できる期間は、最長10年(120ヵ月)です。
・1年ごとの申請が必要で、審査が通ることで返済を一時的に待ってもらえます。

申請は、日本学生支援機構(JASSO)の、インターネット申請(スカラネットパーソナル)または郵送やFAXにて行います。申請はコチラ

返済がむずかしい場合は、救済制度を活用し無理のない返済計画を立てていくことが重要です。


まとめ


奨学金の利子の計算方法、利子を減らせる繰上返還に加え、返済負担が減る「支援制度」「救済制度」ついて解説しました。

奨学金の利子は減らすことができますが、利率によって減額される利子は少なく、十分な貯蓄がないと生活が困窮するリスクがあります。
企業に奨学金返済をしてもらえる「支援制度」や、返済負担を軽減できる「救済制度」を活用しながら、無理のない返済計画を立てることが大切です。



本記事を読んで「利子について分かったけど、今より返済負担を減らしたい」そう感じている方は、奨学金支援(代理返還)を導入している八芳園ヒューマンリソースマネジメントに、ぜひ相談してください。

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